作：川口松太郎、脚本：齋藤雅文、演出：金子良次、美術：中嶋正留。語り継がれる　せつなく美しい想い。雪の浜町河岸に、一途な女の愛が　燃えて、散る。柳橋叶家の芸者・お梅が恋をした。
相手は歌舞伎役者の沢村仙枝。遊びではなく将来を固く誓い合う仲だが、仙枝が師の名跡を継ぐことになって運命が狂いはじめる。襲名のお披露目には金がかかる。仙枝に振られたことを恨む芸者・秀吉は金を用立てるのも女の甲斐性と皆の前でお梅をなぶるが、お梅には母と学費のかかる弟・武彦がいる。箱屋の巳之吉は悩むお梅を見て故郷の田畑を売るが、金と引換に巳之吉が出した条件はお梅が巳之吉の女房になることだった。その一方で仙枝は、襲名公演が終わったら晴れて夫婦になろうとお梅に告げる。仙枝と巳之吉、ふたりの男の愛のはざまに立たされたお梅は……。明治20年に起きた事件をもとに描かれた傑作「明治一代女」。多くの観客の涙を誘った愛の悲劇が、ゆかりの地・浜町の明治座でよみがえります。

歌手生活30年の集大成。特別出演として三山ひろしを迎え、藤あや子が贈る華麗な世界。日本の心歌が、感動と喝采を呼ぶ。
秋田に生まれ育った美少女は、30年の時と共に大輪の花となり、色鮮やかに おんな模様を歌い上げる。幼い頃から民謡で鍛えられた歌声は、胸の奥底まで届き、心に深く染み渡る。艶歌だけでなく、歌謡曲やポップス、ロックなども見事に歌う藤あや子は、幾つもの色に染まりながら異次元の世界を創る。ある時は細やかに、またある時は圧倒的なスケール感で舞台に広がる妖しい美しさと煌びやかな姿に、誰もが酔いしれ、魅了される。特別出演として華を添えるのは、温かく、どこまでも実直な歌唱で絶大な人気を誇る三山ひろし。そのビタミンボイスは、聴く者に明日への元気を送り届けてくれる。藤あや子と三山ひろしの心歌が響く時、歌の持つ本当の素晴らしさが客席を包み込んでいく。明治座オリジナル演出でお届けする豪華歌謡ショー。珠玉のヒット曲と共に感動が溢れ出す。