明治座の2018年新春を飾る公演は、コロッケによる『初笑い 水戸黄門漫遊記 特別出演ウルトラマン』の人情喜劇と、『ものまねオンステージ』の豪華二本立て。
希代のエンタテイナー、コロッケが今作にかける想いとは――。

色々な方たちが最後に到達する場所が舞台。コロッケの集大成を観ていただく場所。

――明治座での公演は今回で6回目になりますね。

明治座さんのような歴史のあるところで6回も公演させていただけるのは本当にありがたいです。でも未だにプレッシャーを感じています。歴史のある、由緒ある明治座さんの舞台は錚々たる方々が公演されてきた場所で、そこで「コロッケがやるんだ」と僕自身が思うくらいですから。僕は、歌手の方や、色々な方々が最後に到達する場所が舞台だと思っています。培ってきたものを、年を重ねてから、明治座さんのようなところでやらせていただける。コロッケの集大成を観ていただく場所だと思っています。

――毎回内容を考えるのも緊張感がありますか?

ありますね。これまでもお客様に喜んで頂けるものをと考え、あえて笑いもちゃんと入れた人情喜劇をやらせて頂きました。今回のお芝居は、『水戸黄門漫遊記』で、特別出演がウルトラマン。佐藤B作さん、奈良富士子さん、水町レイコさん、そして、本物の格さんである横内正さんに出演していただけることになりました。ただ、横内さんに格さんとして出ていただくかは本番までのお楽しみです。

――タイトルが『水戸黄門漫遊記』で、特別出演ウルトラマンというのに驚きました。

タイトルを聞いて、一瞬分からないですよね。最初に明治座さんに「水戸黄門にウルトラマンを出したいんですよ」とお話したら、少し空気が止まったのをよく覚えています(笑)。

――もう掴みはOKですよね(笑)。

そうなんですよ。それが今の時代には大事なんです。「水戸黄門」「特別出演ウルトラマン」だけではよく分からないと思いますが、見に来て頂ければ、ウルトラマンの役どころや、なぜウルトラマンがこの時代にいるのかということなど、物語のすべてを楽しんでいただけると思います。僕の舞台は「会話が増えるエンターテインメント」を目指しています。僕の中では、ウルトラマンも水戸黄門も正義のヒーローなんですよね。それと、ウルトラマンをよく見ていただければ分かると思うんですが、ちょんまげで中剃りみたいに見えますよね!なかなか気づかないと思いますが(笑)。

――お話を伺っていると、コロッケさんご自身が楽しそうですね。

水戸黄門ですよ!小さい頃から見ていますからね!本当にありがたいと思っています。だからこそ、裏切らないようにしなければいけないと一番に考えています。楽しくご覧いただくようにするのはいいですが、ふざけたり馬鹿にしてはいけない。そして、笑いだけではなく、人情物にしたいと思っています。悪くなってしまった人は、元々悪い人ではなく、何かきっかけがあったり、裏切りが重なったことによってそうなってしまったんだと思うんです。水戸黄門が素晴らしいのは、斬っていなくて全部みね打ち。単に悪い人だからやっつけてしまえばいいという描き方ではなかった。今は、何かをしでかしたから突き落とせばいいじゃないかという時代になってしまっていて怖さを感じますが、『水戸黄門』を始めとした時代劇には、そうなってしまった理由やこれからどうするのかを問いただすような作品がたくさんあるんです。

――コロッケさんならではの人情喜劇になりそうですね。

僕の舞台は「会話が増えるエンターテインメント」。それをずっと突き進んでいきたいと思っているので、幕間での会話、観終わった後の会話、さらに5年後、10年後、20年後に「そういえばコロッケの水戸黄門の舞台…」と話して笑顔になってもらえたら最高です。そのためには、自分が楽しむ以上にお客さんに楽しんでもらうことが大切。でも、自分が楽しんでいないと、観ている方たちも楽しめないので、いい意味でヘラヘラしていないといけない。49%自分が楽しめて、51%はお客様に喜んでいただけるように。これが逆になったらだめだよと後輩たちにも話しています。

ヒット曲を持つ歌手の方に出演して頂けることがありがたい。歌手の方たちは本物。

――『ものまねオンステージ』についても伺わせてください。

『ものまね紅白歌合戦』と銘打って、様々なジャンルのものまねをご覧いただきます。ものまね界の後輩にも出演してもらい、豪華ものまねラインナップができればと考えています。さらに今回は、光栄なことに瀬川さんや香西さんといった歌手の方にも出演していただくことになっています。

――おふたりの出演も楽しみです。

瀬川さん、香西さんに出演していただくことは本当に嬉しくて、僕自身、今からワクワクしています。せっかく歌手の方にもご出演いただくわけですから、今回の舞台でしか実現できないような内容のショーができればと思っています。頭の中で、色々と構想が膨らんでいます。楽しみにしていてください(笑)。

――ものまねタレントのみなさんとはいかがでしょうか。

出演は日替わりになるのですが、それぞれの得意技をやっていただきます。今までは、ほとんど僕ひとりでものまねのショーをやっていたんですが、他のメンバーが入ることで、とてもバラエティに富んだショーになると思います。

――どんなコラボレーションが生まれるのか、何度観に行っても楽しそうですね。

1ヶ月間と長くやらせていただけることは、ありがたいことです。その分やはり1回観た方が「もう1回観にいきたい」「友達を連れていきたい」「子どもを連れていきたい」となるようにしたいです。損はさせません!1年の始まりにふさわしい、楽しんで頂ける舞台を必ずお届けします。

取材・撮影 岩村美佳

pageTopBtn