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2003年12月公演 白石加代子の「源氏物語」 若菜上下

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作品紹介
演出:鴨下信一
出演:白石加代子

鴨下信一と白石加代子は、1992年より「百物語」というシリーズを続けて来ました。
それは、言葉の森を、海を、山を旅するというコンセプトでした。
「百物語」で舞台芸術のまったく新しいジャンルを切り開き、観客の熱狂的支持と数々の
賞を得た白石加代子が「百物語」と並行してはじめたのが、「源氏物語」のシリーズ。
千年の昔からわたしたち日本人の心を育て、美の基準となってきた<最大・最高の物語>
への挑戦。白石加代子の「源氏物語」は次のような特色を持っています。

夕顔・末摘花・紫の上・葵の上・朧月夜の君・六条御息所・女三の宮・・・。
白石加代子の「源氏物語」は、光源氏をめぐる女人群像を一人一人まとめあげて再構成し、
一晩のエンターテイメントになっています。瀬戸内寂聴のチャーミングな現代語訳を中心に、
多くの<原文>をはさんで、古典日本語の美しさを満喫していただきます。
注釈などを”語り”の中に織り込んで、聴くだけですべてがわかり、難解なところがありません。
さて、今回は「源氏物語」の白眉というべき、「若菜上下」を中心に、40歳という男盛りを迎えた
源氏の絢爛豪華な物語が展開します。

白石加代子と共に「源氏物語」の世界に迷い込む・・・もしかしたら、あまりにも魅力的で、
面白くて、帰りたくなくなるかも。瀬戸内寂聴も大絶賛のシリーズ、いよいよ明治座にて上演!

《ものがたり》
光源氏40歳にして、14歳の女三の宮を正室に迎える。苦悩に耐えつつそれを受け入れる紫の上。
儀礼的な結婚で得た妻女三の宮は、柏木と通じ不義の子をもうけ、源氏を置き去りにして出家。
永年の恋人、朧月夜の君も源氏に計ることなく出家、そして、紫の上までもが・・・。

《演出/鴨下信一のことば》
演出の鴨下信一は、「源氏物語」シリーズを始めるにあたって、このように語っています。
「全ての言葉が聞いている人に分かるということが大切ではないでしょうか。少なくとも
やっている側がその言葉に込められた情報を理解しているということが必要でしょう。
しかしこれはとても大変なことです。「源氏物語」という作品そのものが非常に膨大で、
ほんの短いセンテンスの中にも沢山の情報が込められているからです。
なぜ「源氏物語」が世界文学史の中でもっとも重要な作品かといえば、イマジネーションの
量においても質においても、まさに一級だからです。非常に官能的な世界であると同時に
非常に知的な世界でもあります。そうですね。抱負として語れば、全ての瞬間がわくわく
するような舞台になればなと思っています。一瞬一瞬にいろんなものが込められている。
不思議で、刺激的で、美しくて、雅びで、恐くて・・・。そういうことが全て入っていて、
本当に「源氏物語」を体験したと言えるのです。

今回は瀬戸内寂聴さんの非常に質の高い現代語訳を元に再構成した台本で進行させたいと
思っています。ただその間に、原文も挿入したいと思っています。それは、その原文の音を
聴いて頂くことによって、「源氏物語」の情景がよりリアルに体験して頂けるからです。
最終的には五部作の連続上演というのをやってみたいですね。見ている人にとって、全部の
言葉がわかって、そして一瞬も飽きない、そんな舞台を目指したいですね。
白石さんならそれがお出来になると思います」