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2010年1月公演 能・狂言・京舞の会

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スタッフ・キャスト

作品紹介

今 春来たりて、新たなる花々咲き競う・・・

京に200年の歴史を持つ京舞・井上流。
家元としてその伝統を受け継ぐ五世・井上八千代がエンターテインメント性の高い、新しい京舞に挑みます!

能楽観世流の片山清司、狂言和泉流の野村萬斎という当代最高の顔合わせで華開くコラボレーション。
東京ではなかなか見ることのできない、祇園甲部トップクラスの芸妓も参加しての豪華なひとときをお贈りします。

一日限りの公演となりますので、どうぞお見逃しなく。

一、半能 船弁慶(ふなべんけい)


源義経は、平家を亡ぼしたにもかかわらず、つまらない讒言(ざんげん)がもとで、兄の頼朝との仲が不和になり、船で西国に落ち延びようと、武蔵坊弁慶とわずかな従者だけで尼崎大物浦へと急ぎます。そこへ静御前が義経のあとを追って来ますが、義経は静を都に帰るよう命じます。静香は盃を交わし、別れの舞を涙ながらに舞います。そして義経一行が出航しますと、にわかに暴風になり、海上に平知盛の怨霊が義経に対する恨みを晴らそうと襲いかかってきます・・・。西国に落ち行く悲劇の武将・義経とその恋人・静との別れ、後半に登場する怨霊・知盛との激しい戦いなど見所満載な作品です。今回は、後半部分のみ、半能形式で上演いたします。

二、狂言 鈍太郎(どんたろう)


長期間、都を留守にし久々に帰京した鈍太郎は、下京の本妻と上京の愛人のもとを訪ねて声をかけてみますが、二人とも本物の鈍太郎だとは思わず、別の男と結婚してしまったと嘘をついて鈍太郎を追い返します。落胆した鈍太郎は、出家して修行の旅に出ることにしますが、二人の女は最前の男が鈍太郎だったことに気づき、彼が通りかかるのを待ちます。出家を止まらせようとする二人に向かい鈍太郎は、自分を大事にさえしてくれれば出家はしないと言い、月の内の半分ずつをそれぞれの家で過ごす事にして、二人の女の手車に乗って意気揚々と引き上げて行くのでした・・・。

三、 片山九郎右衛門 監修
       片山清司 作・演出
       京舞 邯鄲(かんたん)


邯鄲の里の宿の主は、悟りがひらけるという枕を持っていました。廬生という男が、高僧に教えを乞いに行く途中この宿に泊まり、主の勧めでその枕で一眠りすることになります。廬生は眠りについたと思うと勅使に起こされ、帝が位を譲るという勅諚を受けます。そのまま輿に乗せられ宮殿に行き王位につき、あっという間に五十年が経ちます。廬生は千年の寿命を保つという菊水の酒を飲み、祝いの酒宴をひらいて舞を舞ったり、限りない栄耀栄華を尽くした日々を送ったのですが、宿の主に食事の用意ができたと起こされ、五十年の栄華の夢も飯が炊ける束の間の時間であったことがわかります。人の世の栄枯盛衰が儚いたとえに「邯鄲の夢のごとし」と言いますが、その原典というべき作品です。