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2008年4月公演 明治座NEO時代劇 HAKANA(「いとしの儚」より)

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作品紹介

作:横内謙介 演出:杉田成道 人形遣い:ホリ・ヒロシ
出演: 藤本美貴 大口兼悟 山本 亨
          住谷正樹(レイザーラモン) 出渕 誠(レイザーラモン) 村杉蝉之介
          松澤一之 片岡サチ ホリ・ヒロシ

あらすじ
親兄弟、妻子は元より心を許した幼なじみの1人も持たない天涯孤独の流れ者。
手癖は悪いし意地も汚い人間のクズ、博打打ちの鈴次郎(大口兼悟)

掛け金のなくなった鬼シゲ(住谷正樹)は、最後の勝負で世界一の女を賭け鈴次郎に挑む。
もちろんツキの神様・賽子姫(ホリ・ヒロシ)に気に入られている鈴次郎が負けるはずがない・・・

鬼シゲが用意した女とは墓場の死体を集めてこしらえた女だった。
ついさっき生まれて死んだ赤子の魂を入れて完成させた美しい女。

ただし、この女は生まれてから100日間は抱いてはいけないという。
100日間を経たずして抱いてしまうと水になって流れてしまうというのだ。
名前は、人の夢儚しの「儚(はかな)」(藤本美貴)

心は子供でも身体は大人の女性。自分の欲望を抑えつけて儚に接する鈴次郎。
鈴次郎になつき、一緒にいることで言葉遣いや素行も悪く育っていく儚。
僧の妙海(松澤一之)は儚を寺に預け教育することを薦め、反対する鈴次郎にサイコロ勝負を挑む。
なぜか、賽子姫の鈴の音が聞こえず、あっさりと負けてしまう鈴次郎。
それからというもの鈴次郎は賭博でも連日負け続ける。

鈴次郎のために女性としての教養、言葉遣い、男の喜ばせかたまで身につけた儚。
しかし全てが気に入らない鈴次郎。
賭博をやめて二人で暮らさないかと鈴次郎に想いを必死で伝える儚。
だが他人に想いを掛けられたことなどない、鈴次郎のとまどい。
その時。賽子姫の鈴の音が聞こえてくる。
「自分には賭博しかない」と言い捨てて鈴次郎は駆けていく。

鈴次郎は百両を借りに妙海を訪れるが、聞き入れられずついに妙海を刺し殺してしまう。
かけつけた儚は涙ながらに「なんでこんなことをするのか」と鈴次郎をなじるが、鈴次郎も最後の勝負だと決意している。
「これっきりだ、最後の勝負だ、二百両になったら土地を買って、儚、一緒に暮らそう。そして一生償って生きる。」

宿敵ゾロ政(村杉蝉之介)との最後の勝負に挑む鈴次郎。
あっという間に百両をすり、ついに儚を賭けてしまう。
頼みの賽子姫の鈴の音は、最後まで聞こえない。

女郎にされた儚。
しかしどんな男でもあっという間にいかせてしまい、決して最後まではさせないという。
大評判となり、ついた名前が「させず太夫」。
そして、99日目。あと1日で儚の夢がかなうという日。
放浪の鈴次郎が、身を隠しながら儚を見守る。

あと一日で人間になれる儚・・・。人間になって、鈴次郎に抱かれたい儚の夢は・・・。